社援基発0417第1号 平 成 2 7 年 4 月 1 7 日
各 都道府県・市 民生主管部(局)長 殿
厚生労働省社会・援護局福祉基盤課長
( 公 印 省 略 )
社会福祉法人の「地域における公益的な取組」について
人口構造の高齢化、人口減少社会の到来、家族や地域社会の変容に伴い、福祉ニーズ が多様化・複雑化する一方、措置から契約への移行、多様な事業主体の参入など、社会 福祉法人を取り巻く環境は大きく変化しています。
そもそも社会福祉法人は、民間の社会事業を運営する者を前身とし、公益性の高い社 会福祉事業を担う法人として旧民法 34 条の公益法人の特別法人として制度化されたも のですが、上記のような社会環境等の変化に伴い、その位置づけは変化し、社会福祉法 人の今日的な意義は、社会福祉事業に係る福祉サービスの供給確保の中心的役割を果た すとともに、他の事業主体では対応できない様々な福祉ニーズを充足することにより、 地域社会に貢献していくことにあります。
こうした社会福祉法人本来の役割を果たすことを求める観点から、平成 26年6月に閣 議決定された「規制改革実施計画」においては、全ての社会福祉法人に対して社会貢献 活動の実施を義務付けることとしています。また、社会保障審議会福祉部会における検 討を経て、平成27年4月3日に閣議決定された「社会福祉法等の一部を改正する法律案」
(以下「改正法案」という。)においては、「社会福祉法人は、社会福祉事業及び第 26 条第1項に規定する公益事業を行うに当たっては、日常生活又は社会生活上の支援を必 要とする者に対して、無料又は低額な料金で、福祉サービスを積極的に提供するよう努 めなければならない。」(改正後の社会福祉法第24条第2項)と規定し、「地域におけ る公益的な取組」を実施する責務を位置付けています。
また、上記の「規制改革実施計画」においては、「一定の事業規模を超える法人に対 して、法令等での義務付けに先駆けて社会貢献活動の実施を要請する」こととされてい ます。「地域における公益的な取組」については、今回の改正法案において責務規定を
整備するものですが、このような取組を行うことは、法整備を待つことなく、社会福祉 法人がその本旨に基づき果たすべき社会的使命です。既に多くの社会福祉法人において は、地域の福祉ニーズを踏まえ、その規模や経営実態に即して、自主的に実施されてい ると承知していますが、未実施の法人も含め更なる積極的な取組が求められます。
つきましては、「規制改革実施計画」の内容及び改正法案の趣旨を踏まえ、貴職にお いては、「地域における公益的な取組」の積極的な実施について、所管する社会福祉法 人に対し促していただくようお願いします。
併せて、貴職が所管する社会福祉法人において取り組まれた内容については、毎事業 年度終了後に所轄庁へ届け出ることとなっている現況報告書の「地域の福祉ニーズへの 対応状況」に記載するよう再度周知をお願いします。
また、都道府県におかれては、管内の市(指定都市及び中核市を除き、特別区を含む。) に対して周知いただきますようお願いします。
なお、本通知については、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項 に基づく技術的助言として発出するものです。
【参考1】社会保障審議会福祉部会報告書 抄 5.地域における公益的な取組の責務
(福祉ニーズの多様化・複雑化と社会福祉法人の役割)
・ 社会環境の変化に伴い、福祉ニーズが多様化・複雑化し、既存の制度では十分 に対応できない者に対する支援の必要性が高まっている。
こうした福祉ニーズに対しては、様々な事業主体が各々の創意工夫により対応 していくことが必要であるが、その中で社会福祉法人については、その本旨に従 い、他の事業主体では対応が困難な福祉ニーズに対応していくことが求められる。
(社会福祉法人の本旨と地域における公益的な取組)
・ 社会福祉法人は、社会福祉事業に係る福祉サービスの供給確保の中心的役割を 果たすだけでなく、既存の制度の対象とならないサービスに対応していくことを 本旨とする法人と解されている。地域福祉におけるイノベーションの推進は、社 会福祉法人の社会的使命である。
社会福祉法人には、営利企業等では実施することが難しく、市場で 安定的・ 継続的に供給されることが望めないサービスを供給すること、すなわち、既存の 制度の対象とならないサービスを無料又は低額な料金により供給する事業の実施 が求められる。
(地域における公益的な取組を実施する責務)
・ 規制改革実施計画(平成26年6月24日閣議決定)においては、こうした社 会福祉法人の在り方を徹底する観点から、生計困難者に対する無料・低額な料金 の福祉サービスの提供などの社会貢献活動の実施の義務付けを求めている。
これらを踏まえ、社会福祉法において、日常生活・社会生活上の支援を必要と する者に対して無料又は低額の料金により福祉サービスを提供することを社会福 祉法人の責務として位置付けることが必要である。
【参考2】規制改革実施計画(平成26年6月24日閣議決定) 抄
Ⅱ 分野別措置事項 1 健康・医療分野
(2)個別措置事項
② 介護・保育事業等における経営管理の強化とイコールフッティングの確立
NO. 事項名 規制改革の内容 実施時期 所管
省庁
20 社 会 貢 献 活 動 の 義 務化
一 定 の 事 業 規 模 を 超 え る 社 会 福 祉 法 人 に 対 し て 、 法 令 等 で の 義 務 付 け に 先 駆 け て 社会貢献活動の実施を要請する。
平成26年度 措置
厚生 労 働省
【参考3】社会福祉法等の一部を改正する法律案新旧対照表 抄
改正案 現行
(経営の原則等) 第二十四条 (略)
2 社会福祉法人は、社会福祉事業及び第 二 十 六 条 第 一 項 に 規 定 す る 公 益 事 業 を 行うに当たつては、日常生活又は社会生 活上の支援を必要とする者に対して、無 料又は低額な料金で、福祉サービスを積 極 的 に 提 供 す る よ う 努 め な け れ ば な ら ない。
(経営の原則)
第 二 十 四 条 社 会 福 祉 法 人 は 、 社 会 福 祉 事 業 の 主 た る 担 い 手 と し て ふ さ わ し い 事 業 を 確 実 、 効 果 的 か つ 適 正 に 行 う た め 、 自 主 的 に そ の 経 営 基 盤 の 強 化 を 図 る と と も に 、 そ の 提 供 す る 福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 及 び 事 業 経 営 の 透 明 性 の 確保を図らなければならない。